映画「天国はまだ遠く」原作を読んでないままの感想ですが〜(ネタバレ)

わかってたけど、めちゃくちゃ好きな映画になりました・・・
詩のような映像とシーンがいっぱいで。文学のように、いっぱい読み取る作業が楽しく。
でもちゃんと、ストレートに笑えるシーンもいっぱいで。海原はるか師匠はもう、邦画界には欠かせない存在ですね(笑)
徳井くんは、あまり演技のことを指導されなかったらしいですけど、役がぴったりだったという以上に、<創る人>として信頼されていた部分がかなりあったんじゃないかと思いました。


いちばん笑いそうになったとこ→「非常階段」の文字
いちばん楽しかったとこ→たぶん都会ではぱっとしない千鶴が、田舎のおっちゃんたちにはチヤホヤされて、まんざらでもない顔をしてるとこ
いちばん好きなたむらさんのセリフ→「今日も良い日になりますように!」


以下、シリアスな感想です。(ヤフー映画レビューにも少し変えて投稿しました♪初投稿♪ドキドキ)


まずは、見終わってからずっと、たむらさん(徳井)が、千鶴(ローサちゃん)が滞在していた部屋にいるラストシーンのせいで、打ちのめされてました。


なんていう表情を、徳井にさせるんだろう。
あのラストがなかったら、「切なさ」のレベルで、自分の心をとめておけたのに。


涙が止まらなかった・・・
まるで彼が、「柔らかい罰」を受けたような気がしたから。



救ったといえないとしても、千鶴の再生を手伝ったはずの彼なのに、
彼女が<来て、去った>ことで、ほんの少し暖かさを味合わせ、奪い、彼をまた元の孤独な場所に戻したように見えて
まるでそれが、彼の亡き婚約者から与えられた、「とても丁寧な罰」の気がして
こんなふうに文章を書いてても、泣けてきてしまう。


そうして彼は、また罪を背負った人のように、毎日を生きていくんだろうか?と。
「今日も良い日になりますように」と祈りながら・・・?


しばらくは、思い出しては泣いていました。


でも・・・ずっと考えていて、やっと気付くのは
千鶴が駅で、たむらさんからもらった泥つき野菜の中から、マッチを見つけて・・・それをポケットにしまったのには、
マッチに印刷されている住所や電話を、もう一度はっきり見たのには、
<終わりじゃない>というメッセージがあること。



映画を見ているときは、2人が離れるということに心がとらわれていたけど、
きっと千鶴はまた連絡をしたり、会いに行ったりするんだろうなって。
だって、あの千鶴だもの。

そう気付いたら、また自分の中でストーリーが広がって、続いていくんです。

あのマッチは、たまたま入っていたのか、たむらさんがわざと入れたのか、というのを考えるだけでも、楽しい。

映画の前売り特典は、民宿たむらのマッチだったけれど、今となっては、これ以上の特典はないことにも、気づきました♪


もう、ぜーんぶのシーンと登場人物が好きなんだけど、とりわけ、久秋(千鶴の彼)のシーンが良かった。
千鶴を受け止めきるだけの包容力はないけど、あんなメールでいきなり別れを告げた彼女のもとに、すぐに駆けつける誠実さはあって。
そしてオトコはオンナのように簡単にリセットできないよなー・・・というのが、帰りのタクシーの中から、たむらさんと会釈の仕合いをするだけで、伝わってくる。それだけで、エリートサラリーマンだった、たむらさんの過去も見えてくる。一瞬のシーンなのに。


すみません、めちゃのめり込んでますね(笑)
なんやったら1シーンずつ語りたいところです(笑)