四日間の奇跡
HIT作品というのは、どうしても大衆チックなわけで
だからきっとまた、ピアノ演奏の描写部分には、大いに目をつぶって読み進めねばならないだろう・・・
という私の意気込みを、根底から覆す作品。
何故、演奏者にしかわからないことを描けるんだ?
それが「才能」なんだろうか?
感嘆。
バッハとベートーヴェンの作品は、特に演奏者自身に霊的な作用をもたらすわけなんだけども
そんなの、普通はわからないはずなのに!
演奏者なんだろうか?
そうとしか思えない(と思わせるところが凄い)。
他にも、ヘリコプター事故の描写が普通じゃなく・・・つまり小説やドラマチックじゃなく、主人公の感覚を前面に出して呆然とあっというまに起ってしまうところとか
新感覚ー・・・
小説の中の人たちがいつまでも胸に深く刺さる宮部みゆき作品・・・まではいかないにしても
等身大で彼らを感じることが出来たし
何より、神と自分とのあいだに、介添え人がいなくて
直接対話している作家の姿勢が好き
次回作も楽しみです