領家高子「サン・メルシ つれなき美女」
- 作者: 領家 高子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
領家高子さんのファンだと言いつつ、最新刊を今頃読みました。
もはや無いのでは、と思われる硬質な文章の純文学。
「ひたくれない」を読んで最初の衝撃を受けたのは10年ほど前ですが
この作品も、言葉での表現の追求と結果が、湯水のように使われていて
いちいちすっかり溺れてしまいました。
幸。
さまざまな描写をした後にたどりつく、「多情」という言葉に戦慄したり。
こういう読ませ方をしてくれる小説が、どんどん無くなってるから
ほんまに貴重です。
演劇風のリズムがあるところも、私に合ってるのかもしれない。